おこしやす京都活動始まる

おこしやす京都活動 始まる

20年近く前から取り組みたいと考えつつ、ようやく形になってきた「おこしやす京都」活動。
この活動の主役は「eye helper(目の提供者)」です。しかし、いわゆる手引き者ではありません。
視覚障がい者が企画を立て、目的地までの道のりに同行するための視覚情報、また周囲の状況や文字を読み取るための視覚情報を提供するのがeye helperの役割です。視覚障がい者そのものを支援するのではなく、必要な情報を伝える「目」の代わりとなるのです。

京都へ来られる視覚障がい者を、一市民としてあたりまえに迎える。すべての人が関わることができるようになることが、この活動の究極の目標です。

京都を訪れる視覚障がい者には、観光目的の人もいれば、研修会などへの参加目的の人もいます。そうした方々と、安全・安心に関われるようにと、「アイヘル講座」を開講することにしました。

受講者募集にあたっては、いつも協力してもらっているリビング新聞をはじめ、地元新聞・ラジオ・テレビ、さらにはNHKにも情報発信をお願いしました。その結果、木曜・日曜の両コース合わせて20名近い受講希望者が集まりました。

アイヘル講座の様子

アイヘル講座は、座学と実習で構成されています。
まず、講師と受講者が一体感を持てるよう、机を円形に並べ、一人ずつ声を出して自己紹介を行いました。次に、見えない私に「目の情報」として言葉で伝えてもらう練習として、お隣の人を紹介する「他己紹介」を実施。このひと回りのやりとりで、受講者の緊張もかなり和らぎました。

次に、講座資料を順に一区切りずつ声に出して読んでもらい、その箇所について解説を加えました。一人ひとりの読み方や話し方から、その人となりが自然と伝わってきます。中には「音訳活動に関心があるかも?」と感じる受講者も見つかることがあります。

本講座の特色の一つに、協力いただいている視覚障がい者を自宅から会場まで送迎するという実習があります。これは座学2回目以降に実施しました。担当に指名された人は、前の晩眠れなかったかもしれませんが、この体験を通して、視覚障がい者を一人の人間として深く受け止める大きな力となりました。

また、すかいらーくが接遇研修用に制作した「視覚障がい者への接し方」のビデオも活用し、理解を深めてもらいました。

実習:屋内と屋外での体験

実習は屋内・屋外の二本立てで行いました。

屋内実習では、椅子への誘導、階段の昇降、トイレへの案内などを体験。アイマスクを着用し、白杖代わりの棒を持って「見えない疑似体験」と「誘導の実際」を学びました。

屋外実習では、道路の点字ブロックの確認、音響信号機の存在確認、バスや電車への乗降、階段・エスカレーター・エレベーターの利用、さらには人通りの多い道を二人一組で歩く練習などを行いました。

視覚障がい者と接したことのなかった人、すでにガイドヘルパーとして活動している人、それぞれの立場で感じることは異なります。ですが、その体験から得られた気づきは共通して大切なものでした。

報告書の提出

講座の最後には、毎回報告書を提出してもらいました。
これは、講座で意図したことが受講者に伝わっているか、また各人がどのように受け止めたかを把握するための、貴重な資料となりました。

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