新たな情報源

新たな情報源をもとめて

2009年、「点字拡大文字メニュー」に関する取り組みとして、132店舗を紹介した『点字メニューガイドブック』を作成し、300部を印刷しました。希望者に配布したほか、全国の点字図書館にも送付し、入洛の際の参考資料として活用していただけるようにしました。

視覚障がい者の情報入手手段として、近年特に増えてきたのが音訳です。本会としては、これまであまり取り組んでこなかった分野でしたが、ニーズに応えるために音訳者の育成から始めることにしました。朗読ボランティアサークルのI氏に講師をお願いし、「やってみようかな!」と思う会員に対して、数回にわたり基本的な技術を指導していただきました。

最初に取り組んだのは「お土産情報」の音訳でした。京都駅周辺のお店を中心に抽出し、お土産の種類や商品の名前、特徴、価格などを文章化。それを数名の担当者で分担し、各自が自宅で録音したり、ボランティアセンターの朗読室で音読したりしました。録音後は内容に誤りがないか校正し、デイジーデータとして仕上げるためにページ付けや訂正箇所の確認を行いました。全てが完了した後、1枚ずつCDにダビングして希望者に郵送。全国の視覚障がい者から10数名の問い合わせが寄せられました。

この音訳活動で少し慣れてきた段階で、「点字メニュー」作りと並行して「音訳メニュー」作りにも取り組み始めました。原文はそのまま使用できましたが、百貨店やショッピングセンターの食堂街など、店舗数の多いところは本会の少人数の音訳者だけでは対応できず、音訳サークルの数名の方々にご協力をお願いし、共同で制作しました。

その後、「京都実体験情報」として、体験型観光情報の音訳にも取り組みました。内容は、伝統工芸品(数珠・西陣織)の制作体験、和菓子づくり、食品(ゆば・豆腐・七味など)の製造見学、伏見の酒の試飲、お寺での座禅や水琴窟体験、人力車や船での風景散策など、多岐にわたり、オリジナルにまとめて希望者に配布しました。

さらに新たな試みとして、墨字の書籍を音声リーダーでも読めるように、テキストデータに変換するサービスも行っています。これは、原本を送ってもらい、OCR(光学文字認識)などを使ってコピーし、それをベースにテキストデータに書き起こすという作業で、S氏に関わっていただきました。ただし、この作業は非常に手間がかかり、継続には多くの労力を要しました。
ちなみに例をあげますと、「合気法とは」、市販薬の説明等、特に「不調リセット体操」は127ページの縦書きで根気を要しました。

また、札幌で活動している点訳グループ「ブレイルサービス」が取り組んでいる、セブンイレブンの宅配弁当「セブンミール」の点訳を手伝ったこともあります。

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