区版市民新聞に掲載してもらって
2012年、 これまで、アイヘル養成講座はボランティア活動センターのミーティング室を会場に、年2回、各3~4回ずつ開催してきました。ところが、近年ほかのグループからの利用希望も増えたことから、会場の変更を求められ、北区社会福祉協議会(北区社協)の施設を使わせていただくことになりました。
この新しい会場は、住宅街の中にある比較的大きな一軒家を改装したような建物で、2階部分が主に講座会場として使用されました。エレベーターはなく、L字型の階段での昇降が必要です。そのため、どこかご近所の集まりのような、アットホームな雰囲気も漂っていました。
最寄り駅は地下鉄北大路駅で、徒歩数分とアクセスは良好ですが、初めて訪れる人にとっては少しわかりにくいため、講座初日には毎回、会員が駅や要所に立ち、参加者を案内しました。
なお、屋内での実習ができないことから、近隣の大谷大学に協力をお願いし、階段やエレベーターの利用、トイレでの練習などを実施しました。大学側には最初少し戸惑いもあったようですが、北区社協からの声かけもあり、快く場を提供していただきました。
北区社協のNさんはこの講座に深い理解を寄せてくださり、10期目の開催に際しては、北区の市民新聞に講座の案内を掲載してもらえるよう働きかけてくださいました。ちょうど、これまでご協力くださっていた京都新聞のF記者の担当が変わり、広報面で苦慮していた時期だっただけに、この後押しは非常に心強いものでした。
北区には京都ライトハウスなどの視覚障がい者関連施設も多く、市民にとっても視覚障がい者の存在が身近であるため、市民新聞の反響は大きく、水曜・日曜の両コースとも19名(合わせて38名)の申込があり、最終的には28名がアイヘルパーに登録するなど、盛況を極めました。水曜日の北区社協会場は、まさに溢れんばかりの参加者で熱気に満ちていました。
この成功に気を良くして、「左京区でも市民新聞に載せていただけないか」とNさんにお願いしたところ、左京区版にも掲載されることになりました。ところが、蓋を開けてみると予想を大きく下回る参加数となり、講座には左京区社協の職員も加わっての開催となりました。講座終了後にアイヘルパー登録に至ったのは、数名にとどまりました。
この左京区での講座は、京都市左京合同福祉センターの3階を使用しましたが、トイレが「2足制」(スリッパに履き替えて使用)で、視覚障がいのある者は、どこに履き替え用のスリッパがあるかを足で探さなければならない状況でした。この施設には、視覚障がい者だけでなく、足の不自由な方や装具を使用している方も来られる可能性があることから、「履き替えなしで利用できるようにしてほしい」と、施設の責任者に要望を伝えました。
すると、「関係団体との話し合いがあるので、そこで検討します」との返答を受けましたが、後日戻ってきた返答は「話し合ったが、今のままで良いということになりました」というものでした。どのような議論があり、なぜそのような結論に至ったのか、私には理解しがたいものでした。
それから十数年が経ちましたが、あの施設のトイレは今、どうなっているのでしょう。