5-5. メニューを広く知らせるために

1981年から2020年代にかけて、ユニーズでは10数回にわたり、点字版『点字・拡大文字メニュー設置店ガイドブック』を制作し、視覚障がい者に配布してきました。

ガイドブックの前書きでは、点字メニュー設置の目的や意義を述べ、実際に多くの人に利用してもらうことで設置が広がることを期待している旨を記しました。掲載内容は、設置店の名前・業種・エリア・連絡先などで、店を選ぶ際の参考になるよう工夫しました。

初期は製作費の制約もあり、希望者のみに送付していましたが、協力金や支援団体からの援助により、地元当事者団体の情報誌に同封して、全会員に届けられるようになりました。

2010年に発行した第10号では、「入洛の際にはご利用ください」との呼びかけとともに、全国の点字図書館へも配布を行いました。

また1988年には、京都で開催された身障者国体を機に、市内のホテルや公的機関の飲食店を含む約230店舗に点字メニューを設置していただき、京都府・市の協力のもと、ガイドブックを全国からの参加者に配布しました。

あわせて、「点字メニューあります」と書かれたステッカーを作成し、「目につきやすい場所に貼ってください」と設置店にお願いしました。これは、視覚障がい者と同行者が店を利用する際に「点字メニューを出してください」と安心して言える環境をつくるため、また店のスタッフに点字メニューの存在を認識してもらうと同時に、一般市民にもその存在を広く知ってもらうことを願ってのことでした。

さらに、「自ら選んで楽しめる、点字メニューをあなたのお店にも」と各種新聞に投稿したことで、ラジオやテレビなど多くのメディアから取材を受けるきっかけにもなりました。