第1回出前講座を終えて
街中で視覚障がい者を見かけても、どのように関わったら良いかわからない、
また、電車やバスに乗り合わせても、空席へ上手く誘導することができない、
このような声を度々耳にすることがあります。
誰もが気軽に声をかけられるようになる為に、
見えない・見えにくい人達のことをもっと知っておいてもらえたら、
そして、見えない・見えにくいことがどのような状態なのかを、
短時間の疑似体験であっても経験してもらえたら、
そんな思いを込めて、今年から活動の一つに加えた「出前講座」。
そんな時タイミング良く、学生ボランティアグループから
「見えない人のことについて話して欲しい」という申し出がありました。
1月中旬の午後の3時間。
最初に、見えないとなぜ行動しにくいのかを説明した後、
アイマスクを付ける人と誘導する人がペアになり、
廊下を歩いたり、エレベーターに乗ったり、階段を昇降したり、屋外へ出て風を体で感じたり、
車が走行する音を耳から感じ取ってもらうことなどを、
立場を入れ替えて行いました。
この講座の助っ人として参加したユニーズ会員の感想として、
「体験実習で、最初は怖くて腰が引けて、誘導する方もされる方もとにかく必死で取り組んでいました。
知ることが、障がい者と晴眼者の距離を少し縮めた気がしました。
アイマスク体験後の学生さん達の表情が、少し違って見えました。」
この体験実習の後、事前に受け付けておいたQ&Aを行いました。
学生だからなのか、世間一般の人も同じなのか、障がい者問題は意識としてまだまだ大きな変革を遂げてはいないことを痛感しました。
Q&Aの内容を幾つか挙げてみます。
Q.障がいをコンプレックスに思っていますか?
A.コンプレックスと言うより、不安、寂しさ、受容、怒り(社会における不平等)などを感じています。
Q.障がい者の方を特別扱いするべきなのか、しないべきなのかでいつもすごく迷います。
目が見えない人や車いすに乗っている人を見ても少し不安になりますが、
じろじろ見ても失礼になるので見て見ぬフリをします。
どういった態度をするのが良いのでしょうか?
A.心の何処かで特別扱いしているのでは?
どう関わったら良いかを知り、理解する姿勢が大切です。
Q.障がい者の方は、自分が障がいを持っているということを周囲の人にあまり知られたくないものなのでしょうか?
A.障がいがあるということがわかった為に社会の中で受け入れられないということから、あえて隠すということはあります。
しかし、それは恥ずかしいというよりも、仕事や生活する上で不利益を被る場合が多いからです。
Q.バリアフリーという言葉の浸透でボランティアの認知度が高まってきていると思っているのだが、
実際障がいを持たれている方の認識としてはどうでしょうか?
言葉だけが一人歩きし実際は良くなっていないこともあるのでしょうか?
A.物理的なバリアフリーが世間でいうバリアフリーとなりがちですが、
ソフト(心)が伴わなければ本当のバリアフリーとは言えません。
Q.かけられて嬉しかった言葉や行為はどんなものがありましたか?
A.バスや電車に乗った時、空席があると声をかけながら案内してくれるような時です。
Q.私たち学生がもっと積極的に行うべきだと考えている活動や行動はありますか?
A.当事者と一緒に話し合ったり、行動したりする場面を増やすことで、
社会の中には色々な立場の人、価値観をもった人がいることがわかると思います。