駅のホームや改札口で視覚障がい者を見かけたら
2.ホームは欄干のない橋
駅のホームは、島式で両側から乗降できるものと、片側が壁になっているものがある。片側が壁であれば、そちら側は落ちる心配がないので、周囲の状況を耳で確認した上で、目的の方向へ安心して移動することができる。
しかし、島式のホームの場合は、左右どちらも線路に面しているので、我々視覚障がい者は、一歩進む度に「落ちはしないか」という不安がつきまとう。階段やエスカレーター・エレベーターがホーム幅の中央にある場合、それだけ歩く場所が狭くなり、線路に近い部分を歩かねばならない。また、乗車する人の列や柱なども避けねばならない。常に気をつけているようでも、少しの角度の違いで進むべき方向が変わってしまい、行き先がわからなくなってしまう。
視覚障がい者の多くがホームからの転落を経験している。いったん落ちてしまったら、後は電車が侵入してくるかどうかによって運命が決まってしまう。
ホームで視覚障がい者を見かけたら、その動きを見守るだけでなく、できることなら「お手伝いしましょうか?」と声をかけてもらえたら本当に助かる。
通勤・通学の忙しい時間なら、「5分後に来る電車に乗るので、それまでなら手伝えます」などと最初に言っておいてもらうと、依頼する方も具体的に頼みやすい。サポートしている状態から離れる時は、その場の位置関係や状況を必ず我々に伝えておいてほしい。位置関係が分かることで、その後の自力での移動も容易となる。
視覚障がい者がホームからコンコースへ向かうためにエスカレーターを使おうとして、上らないといけないのに、下がってくるエスカレーターに乗ろうとする場合がある。そうした状況を目にした時は、「危ないです」ではなく、「そこは下がってくるエスカレーターです。右側に上りのエスカレーターがあります」と言葉を添えてもらえると助かる。